セミリタイアのタイプ④実家援助・相続型セミリタイア
このシリーズもだんだん飽きてきたので、あといくつか典型的と思われるスタイルをあげて、まとめとしたい気がしている。
また、海外の早期リタイアの分類なども色々あるので、いずれまとめてみたい。
さて、今回は実家援助・相続型セミリタイア。
すごくわかりやすく言うと親のスネカジリということになる。
仕事の上でこういうタイプの方は時々会うが、問題は相続のときで、相続人が複数いるとかなり揉めるケースでもある。
資産形成方法
親からの援助が主な収入となり、基本的には、相続を受けるまでは自分自身の資産形成は行わない。
実家に住むことが多いが、資産家で自宅以外の親の持ち家に住んでいる場合や、賃料も含めた援助を得ていることもある。
資産運用方法
親世代はあまり運用に積極的ではなく、資産としては、預貯金と不動産の割合が多い場合が多いだろう。
実家が不動産賃貸を行っていて、それを引き継ぐケースも結構ある。
生活スタイル
基本的には、親との関係を良好にしておくことが大事である。
結婚については、完全に無職だとなかなか難しいため、肩書として自営の会社の役員とすることもある。
もっとも問題なのは、相続対策である。
相続人が何人いるのか、どんな資産があるのかによって対策は変わるが、遺言を作成したり、生前贈与を行うなどの対策が望ましい。
このあたりも、親と何でも話せる関係でないと、親任せにならざるを得ないのが不安材料である。
甘やかされて育ち、自立していないため、ワガママになって、家族との関係が悪化しているケースも多いが、やはり、親への感謝と、家事の手伝いや、親の世話を心がけ、関係を良好に保つほうが、精神的にも経済的にも親子双方に利益が多いだろう。
医者芸人という生き方
最近、しゅんしゅんクリニックPという芸人が注目を集めているらしい。
彼は、現役の医者でありながら、吉本に所属する芸人でもある。
しゅんしゅんクリニックPさん(@shun.miyamoto) • Instagram写真と動画
彼の持ちネタは、踊りながら医者のあるあるネタを歌うというもので、正直そこまで笑えるわけではないが、爽やかなルックスと一生懸命な雰囲気で、好感を持ってしまう。
彼の生き方は、自営業縮小型セミリタイアというセミリタイア方法に大きな示唆を与えるものである。
彼は、週3日を薄毛治療や内科医として勤務しており、その他の時間を芸人としての活動に費やしているようである。
また、年収700万円をかせいでおり、ほぼ全てが医師としての収入との記事もあった。
高時給で、勤務時間に裁量のある仕事を、平日の半分程度行い、残りの時間は好きな活動をする。
これは、まさに自営業縮小型の発想である。
彼が芸人として大成するかはわからないが、彼自身今の生活をかなり満喫していることは間違いないだろう。
キムさんから相互リンクしてもらった
愛読するブログのキムさん(金村さん)から相互リンクしていただいた。
相互リンクのお知らせ|Time is money キムのセミリタイア日記
紹介文も書いていただき、開設したばかりのブログに過大な評価で、大変恐縮である。
アクセスも急増し、キムさんの影響力をあらためて感じている。
このブログのアクセス急増は2回目で、最初は岡口基一裁判官のFacebookで以下の記事を
紹介していただいたときである。
男性弁護士は女性にモテるのか? - セミリタイアを目指す弁護士ブログ
その時は、ほぼ同時に何人かの弁護士のtwitterでも紹介していただき、一日で3000PVを越えるくらいとなった。
今回はそれを上回る4000PV/日弱である。
読者が増えてくると何を書くか悩むものである。
その日その日で自分の書きたいように書くと、路線がブレブレになり統一感が出ないかもしれない。
弁護士のブログということで、弁護士業界の裏話や、法律の裏ワザ的な話が受けがいい気もする。
また、あまり硬くなりすぎるよりは、多少柔らかめの話題や、恋愛ネタ、シモネタも織り交ぜたほうがいいのかもしれない。
また、最近読んだ本では、偏った意見を断定的に書くことで読者は魅了されるというものがあった。
断定的な記事は、面白いし、感情を良くも悪くも揺さぶられるが、バランスのとれた当たり前の記事では興味はひかない。
しかし、ネット上にそんな記事ばかり増えて、それを間に受けた読者は極端な思考を持つようになり、バランスを持った意見の影響力が減り、結果として社会の分断が広がっている、と考えるのは深読みしすぎだろうか。
自分の性格的にも、あまり極端な、断定的な意見は好きではないという傾向がある。
そんなことをつらつらと考えつつも、結局は書きたいことをその日の気分で書く方向で考えている。
無理をしても続かないし、もともとは通勤時間の暇つぶし的に始めたものだ。
あまり気負っても仕方ない。
アクセス増は励みにはなるが、いろいろと欲や悩みも増えてくるものである。
とりあえず、定期的に、適当に、書いていきたいので、お付き合いいただけると幸いである。
セミリタイアのタイプ③不動産投資型セミリタイア
セミリタイアのタイプとして、節約型、自営業縮小型とあげたが、次は不動産投資型セミリタイアである。
(今さらだが、セミリタイアの分類は、網羅的でもないし、複数のタイプにあてはまる場合もある。あくまでも、個人的に考えた分類に過ぎないので、参考程度にしてもらいたい。)
このセミリタイア方法は、不動産の賃貸収入をメインの原資として行うセミリタイアである。
資産形成方法
不動産投資の特徴として、手元に資金がなくても融資でレバレッジをかけて投資ができる、ということがある。
ただし、有利に融資を受けるためには、固定収入があるほうが有利であるため、資産がない段階では正社員として就職しておくことが望ましい。
不動産を購入する際に、重要なことは、購入価格次第で投資の成否がほぼ決まるということである。
すなわち、表面利回り(年間賃料収入÷不動産価格)が低い物件を購入してしまうとその後の挽回が極めて困難になる。
特に不動産の価格が高い時期には、利回りが悪化するため、購入には慎重になるべきである。
最近ではリーマンショック後や東日本大震災後の不動産相場の下落時が、ひとつの購入のチャンスであったといえる。
しかし、現在は相場が上がりすぎと考える人も多い。
ネット上では、表面利回り−ローン利回りが、10%以上を推奨する人もいるが、探してみると、現時点では、普通に探すとそんな物件はほとんどない。
たまに高利回りの物件があっても、築年数や場所などにおいて魅力に乏しい物件であることがほとんどである。
つまり、それなりの目利き力や、独自の仕入れルート、客付けのノウハウ、格安でのリフォームのノウハウなど、何らかの他の投資家より優位な点がなければ手を出すことは危険である。
景気が悪化し、不動産の相場が下がることを待ってから購入するのが安全策であろう。
また、もう一つ見落としがちで重要な点は、税金(所得税、住民税)である。
不動産投資をする上で、税金の理解は重要であるが、サラリーマンの場合は会社が年末調整などをしてくれ、意識する必要がないため、この点の理解が甘くなりがちである。
(クイズ)
例えば、年間の賃料収入が200万で、ローン元本返済が120万円で利息支払いが20万円だとすると、ローン返済後手元に残るお金は60万円となる。(単純化のため、減価償却費以外の経費は0とする。)
さて、この例で税金は、いくらの不動産所得に対してかかるだろうか?考えてみてほしい。
手元に残った60万円に対して税金がかかると考えた人は、間違いである。
大事なことは、「ローンの元本の返済は経費にはならない」ということである。
正解は、賃料収入−利息の180万円から減価償却費を引いた額に対して税金がかかるのだ。(これは不動産所得として申告する場合であり、投資規模が大きくなると事業所得になるため異なる。)
もともと多額の給与所得がある人は、適用される税率も高くなっているため、税金の支払いはさらに大きな負担となる。
税金の支払分を差し引いた最終的な手残りは微々たるものになるケースもあるし、マイナスになることもあるだろう。
(計算方法が間違っていたら指摘お願いします。)
不動産の売却益を考えることも重要である。
不動産の譲渡所得に対する課税は買ってから5年経過すると軽減されるため、5年以上経った後に売れる物件かどうかを買う時点で慎重に考慮する必要がある。
資産運用方法
資産形成方法として行った不動産投資をそのまま続ければよい。
一旦勝ちパターンを作れれば、その後の運用も安定しているのが、この方法の大きなメリットである。
生活スタイル
一旦一定の資産を築けば、基本的には安定した賃料収入が見込める。
家族を持ったり、通常の生活を営むことが可能である。
注意点
不動産投資は多額のローンを背負う可能性があり、物件選びに失敗した際のリスクは非常に大きい。
また、取引に関わるトラブルも多い。
以下は実際に私が直接聞いたことのあるトラブルである。
・空き家が多い物件に、入居者を入れて満室に見せかけて売られた。
・入居者がいる物件として内見ができず、退去後に瑕疵が見つかった。
・リフォーム業者がきちんと仕事をせず、不具合が発生した。
・取引の慣習を知らず、司法書士を入れなかったため、代金を持ち逃げされた。しかも物件には抵当権がついており、裁判で登記を得ても、いずれ所有権を失う恐れがある。
これらの失敗を防ぐためには、事前に、不動産の評価方法、法律などについて十分に知識を得ておく必要がある。
また、信頼できる不動産業者、リフォーム業者、司法書士、弁護士などを見つけておくことが望ましいだろう。
様々なハードルを乗り越えて、投資がうまく行けば、複数の物件を運用し、多額の安定収入を得ることができる。
魅力も大きいが、危険もある手法といえよう。
セミリタイアのタイプ②自営業縮小型セミリタイア
前の記事でセミリタイアのタイプの1つ目「節約型セミリタイア」について分析した。
次に検討するのは、「自営業縮小型セミリタイア」である。
この方法は、以下のプロセスによるものである。
- 自営業に従事し、安定的な経営状態を達成する。
- 事業が軌道に乗った段階で、仕事の自動化・外注・選別により、自分の関与時間を徐々に少なくする。
- 同時に、事業の固定費についても可能な限り削減する。
- 上記2,3のプロセスを進め、事業を継続して一定の利益を確保しながら、労働時間を当初よりも大幅に削減したセミリタイア状態に移行する。
資産形成方法
自営業縮小型セミリタイアは、文字通り、自営業者が行うことができるセミリタイア方法である。
事業形態は個人事業でも法人でもよいが、経営方針や自分の関与度合いを決定できる立場にいる必要がある。
業種にも成約はないが、過当競争でなく、高利益率で、固定費が少ない業種が望ましい。
自営業が軌道に乗るまでの方法は、様々であり、この記事では触れられないが、少なくとも安定的に利益が出る状態にする必要はある。
事業が軌道に乗ったら、自分の関与する割合を減らしていく。そのための方法としては自動化、外注化、仕事の選別があげられる。
自動化は、自分が関与しなくても業務を進められる仕組み作りである。
例えば、ITシステムを利用して受発注や経理業務を効率化することなどもあげられる。
弁護士業でいえば、弁護士業務支援システムの利用により、書面や封筒への住所氏名の記載を省力化したり、エクセルの利用により民事再生の再生計画作成の自動化なども一定程度可能である。
また、人を雇ってある業務を任せれば、自分の関与が不要になるので、その部分についてのビジネスの自動化ができる。
外注化は、税務申告の税理士への外注、電話代行の外注など、省力化の手段として極めて有用である。
仕事の選別は、割のいい仕事や手間のかからない仕事だけを行うことである。
例えば、訪問やアフターフォローが必要な顧客や、利益率の低い発注のみを行う顧客については思い切って取引を打ち切るということである。
弁護士業でいえば、法テラスの破産や離婚、国選弁護などは、典型的な低単価の案件であろう。逆に利益率のいい仕事としては、相談の少ない顧問業務、交通事故の後遺障害事案、資産家の相続・離婚などであろう。
これらの仕事の自動化・外注・選別により、売上が減少することもあるが、その分利益率の高い仕事に集中できるため、自分の時給としては高くなる。
固定費については必要性を厳しく吟味し、自分の時間当たりの利益を増やすために必要ない費用は全てカットする。
資産運用方法
基本的には、事業が一定の軌道に乗るまでは、資産を得ても、事業自体の自己資金や準備として一定額は保有しておく必要があるだろう。
それを超えて余剰が生じた場合や、セミリタイアした後の後には、節約型セミリタイアと同じように、長期投資による運用が考えられる。
もっとも、予測できない売上の減少に備えて、現預金などの変動リスクのない資産を、「固定費+自分の生活費」の数ヶ月分は確保しておく必要はある。
生活スタイル
業種にもよるが、専門的な知識を売りにしている士業やフリーランスであれば、縮小してもそれなりの収入が見込まれるため、セミリタイアに移行後も一定の収入が見込める。
したがって、家族を養うということも可能と思われる。
向いている人
まずは現在自営業で、事業方針を決めるにあたって自分に裁量があること。
将来的に自営業を目指す人でもよい。
また、その自営業が嫌いではなく、縮小しても続ける意思があること。
売上がある程度安定していて、経費もそれほどかからず、損失発生のリスクは少ないこと。
可能な業種として、典型的には士業の個人事務所を想定している。
仕事を縮小しつつも続けることになるため、節約型セミリタイアに比べると、資産額が少なくてもセミリタイア可能である。
セミリタイア後も、仕事上の肩書が残るし、社会との繋がりも切れない。このような比較的マイルドなセミリタイア方法を好む人にとってもふさわしいといえる。
私自身が、まさにこのセミリタイア方法を実現したいと考えている。
セミリタイアのタイプ ①節約型セミリタイア
どうも。セミリタイア研究家(自称)です。
現在実証されているセミリタイアの方法はいろいろとあるが、これを類型化し、それぞれの特徴についてまとめてみたい。
まず、1つ目は「節約型セミリタイア」である。
これは以下のプロセスからなるセミリタイア方法である。
- 働いて給料を得ながら、無駄遣いを決して行わず、節約によって資産を増やす。
- 資産運用は、インデックス投資などの長期投資をメインとする。
- 資産が一定額(一般的には単身なら3000万円〜5000万円程度)に達すると、仕事を辞め、セミリタイア生活に突入。
- 少ない生活費で暮らせる状態を維持しながら、ブログやアルバイト等でたまに収入を得る。
これを本ブログでは「節約型セミリタイア」と呼ぶ。
以下、詳しく分析する。
資産形成方法
節約型セミリタイアは、その名が示すとおり、高度な節約スキルが必要条件となる。
給料のうちのできるだけ多くを残して、資産運用にまわすのだ。
安定的な収入があればよいため、会社員や公務員には目指しやすいセミリタイア方法といえるものの、節約を継続するには自制心が必要といえる。
もっとも、節約マインドが身についた人からすると、特に苦にはならないようである。
給与収入の額は、多いほど資産形成の速度は早まるが、低収入であっても節約を極めれば資産形成は不可能ではない。
むしろ、セミリタイア生活に移行後の生活費が少なくても、今までどおりやっていける、という面がある。
資産運用方法
節約型セミリタイアにおける資産運用方法は、長期的な運用が可能である利点を活かして、株式投資がなされる場合が多い。
これは、歴史上、株式市場は数十年単位の長期で見ると年平均5%程度の上昇があることから、今後も長期的には経済の成長とともに株価は全体としては上昇するはずという考えに基づく。
株式投資の際には、高いリスクや手数料を避けるため、個別の会社に投資するよりはインデックス連動型のETFによる運用が望ましいと考えられている。
最も、運用方法はこれに限られるものではなく、各人の将来予想や好みによって様々である。
ただし、貯蓄のみによる場合は、将来のインフレのリスクがあるため、一定割合の株式か不動産など、インフレに対して強い資産での運用を一定の割合で組み入れることが、望ましいだろう。
生活スタイル
セミリタイア移行前後ともに、節約生活を心がける必要がある。
住居費は、実家など賃料不要の場所に住むか、賃料の安い地域に住んで節約がなされる。
東京の都市部での賃貸生活は基本的には困難である。ただし、住環境を問わなければ不可能ではないだろう。
独身者にとっては、比較的目指しやすい方法であるが、
家族を持ちながらこのセミリタイア方法をとることは、難易度が高い。
必要な生活費が増える上に、子にかかる費用等の不確定要素が増えることから、まずセミリタイア可能状態に至ることが困難になるといえる。
また、家族を持つ場合、配偶者のセミリタイアに対する理解は必要不可欠であるが、まだセミリタイアというライフスタイルは市民権を得ておらず、理解のある配偶者を得ることは至難の技である。
そのため、独身を貫く人が必然的に多くなる。
セミリタイア後の仕事は、アルバイトがメインになるだろう。
専門的技能がなければ高時給は望めないため、セミリタイア時の資産額を十分に準備する必要がある。
また、セミリタイア後に高時給のアルバイトを得るための資格取得などの準備をすることも考えられる。
副収入としては、ブログ運営によるアフィリエイトなどの収入が考えられる。
向いている人
お金をかかる趣味をもたず、節約自体が、それほど苦にならない人が向いている。
また、独身者で、将来的にも結婚や子作りは考えていない人も向いている。
さらに、会社組織やプライベートでの人的交流がそれほど好きではない人も向いているように思える。その一方で、地元での付き合いを重視し、交遊にあまりお金がかからない、いわゆるマイルドヤンキー的な人にも、向いているのではないか。
実践者が多数いる方法であり、ネット上でもノウハウを得ることができる。
また、ネットを通した交流も盛んである。
一般的なライフスタイルと異なるため、友人と興味のある話題が合わなくなる場合がありうる。セミリタイア後にネットを通じて、同じ境遇の人との交流を持つことが大事であろう。
ネットの情報をもとに今後急増すると思われ、SNSなどでの交流も活性化すると思われる。
次の記事では、他のセミリタイア方法についても検討していく。
セミリタイアを考えることの功罪
セミリタイアのブログを読んだり、セミリタイアについてあれこれ考えることには、いろんな効果があると感じている。
そのプラス面、マイナス面について考えてみたい。
【プラス面】
●自分が何をすれば幸福を感じるかを考えることができる
自分のセミリタイア生活を考えると、必然的に、時間が自由になったときに自分が何をやりたいかを考えることになる。
つまり、自分が何に幸せを感じ、どう余暇をすごしたいかを、冷静に客観的な視点で見つめることができるのだ。
いわば、「一人自己啓発」ともいえ、悟りの境地に一歩一歩近づいているようなものである。
私のように、「マジで悟る5秒前」の者にとっても、セミリタイアについての思索は有用である。
●世間一般の考え方に当てはまらない自分の視点を持てる
世の中はまだまだ定年まで働くという生き方が主流であり、様々な社会制度もこういう生き方を前提として作られている。
社会が想定していない生き方を考えることで、独自の視点から、世の中や自分の人生を見つめ直すことができる。
この思考自体がエキサイティングな知的活動であるし、独自の視点をもつことによって人間的にも深みが出る。
日頃は、独自の視点で世の中を斜めに見がちな私としても、さらにセミリタイアという新たな独自の視点を得ることで、レベルアップができるのだ。
●節約、投資などの資産形成のモチベーションがあがる
セミリタイアは、節約を続ける際の心の支えになるし、投資で一定のリスクをとる際にも勇気の根源となる。
モチベーションの向上や維持に大きな力を発揮する。
つまり、目標があることで、節約や投資が、我慢ではなく、快感になってくるのである。
わかりやすく例えるなら、「セミリタイアという女王様による調教」ととらえることができよう。
一方で、セミリタイアを考えることによる、以下のようなマイナス面も無視できない。
●現状改善の努力に目を向けなくなりがち
セミリタイアブログを読んでいると、なんとなく自分も近いうちに仕事から解放される日が来るような気がする。
しかし、現実には資産形成には時間がかかるし、道のりは険しい。
また、セミリタイアをすれば幸福が約束されているわけではない。
それにもかかわらず、セミリタイア以外の現状を改善する方法(自分に適した職業を探したり、環境に適応しようとする)には目を向けず、セミリタイアブログをよんで溜飲を下げてしまう。
一種の、アルコールや麻薬のようなもので、ブログを読んだ直後は気分がいいが、現状に自分を順応させたり、地道に改善に取り組んだりする意欲が徐々に失われるような気がする。
上記のように、環境への順応・改善を行わない状況が続くと、最終的にはセミリタイア原理主義ともいうべき、極端な思考になりやすい。
セミリタイアとは、人生を変えるためのいくつかあるうちの一つの方法にすぎず、それが最善の方法かどうかは人によって異なる、という当たり前のことを忘れてはならないだろう。
●恋愛や家庭をもつことに否定的になりがち
セミリタイアの観点からは、恋愛はお金がかかるし、その先にある結婚、出産なども、マイナス要素でしかない。
現実には家庭をもつことで、大きな幸福を得ることができるとしても、セミリタイアという目標にとってはマイナスとなる。
このジレンマに直面したセミリタイア希望者は、恋愛や結婚を否定的に見ることによって、ジレンマからの脱却を図りがちである。
このように、セミリタイアについて考えることには、良い点も悪い点がある。
しかし、それでも私はセミリタイアについて真剣に考えていきたい。
なぜなら、セミリタイアは、自由への希望の道のりだと考えているからだ。
自由を得ること自体にも大きな意味があるし、そのために希望と勇気を持って行動することや、変化を楽しむことこそが、人生の醍醐味の一つなのだ。