セミリタイアを目指す弁護士ブログ

資産運用、法律事務所経営、セミリタイアなど興味があることをつづっていきます。

セミリタイアと弁護士業

前回の記事に少し書いたが、私のライフスタイルはセミリタイアにはあまり向いていない。

 

妻と子二人の4人家族で、これから子の教育費もかかる。

まだ住宅ローンがある。

極端な節約生活はしたくない。

 

これでは相当な財産がないかぎりなかなかセミリタイアに踏み切るのは難しいだろう。

 

しかし、その一方で弁護士という職業は、実はセミリタイアにとても向いている職業である。

  

まず、弁護士業は、自由業でありどんな仕事を受けるかを自分で決めることができる。

したがって、ラクな仕事や、割のいい仕事など、自分がやりたい仕事だけを選んで仕事をすることができる。

この点で、一般的に振られる仕事を選べない会社員や、原則として診療が義務付けられている医師等とは大きく異なる。

時と場合によっては、依頼者がなんとなく嫌いだから依頼を受けない、ということもできるのである。

すなわち、仕事を自分で選んで少なくすることで、セミリタイア状態に移行しやすいのだ。

 

時間単価・利益率の高さ

さらに重要なのは、弁護士業の、時間単価・利益率の高さである。

セミリタイア時に行う仕事は、一般的には、日雇い仕事やブログのアフィリエイトなどそれほど時間単価が高くない仕事を選ぶ方が多いのではないか。特に対人関係のストレスを避けて、正社員以外の仕事となると、時給に直すと1000円とかそれを下回る場合もあるだろう。

この点弁護士は、時給ベースではないので、時給を算出するのは困難だが、体感的には時給として少なくとも1万円以上は売り上げられると考えている。一般的に法律相談は30分5000円+消費税であるし、さらに受任した場合の着手金・報酬金は、事件にもよるが数十万円以上である。

 

 

もちろん売り上げと利益は異なるのであり、ここから経費を差し引かなければならない。

しかし、弁護士業は、他の業種に比べると「必要不可欠な固定経費」が少ないため、経費の大幅な削減が可能だと思われる。(これはまだ自分では実践できていないので、希望的推測が含まれる。)

一般的な小規模法律事務所の経営で必要な費用は、最大のものは人件費であり、次に事務所の賃料、その次に弁護士会費である。

しかし、これらはある程度減らすことも可能だ。

 

まず人件費については、弁護士一人で事務所を運営し、事務員を雇わない。

ITシステムを最大限活用し、電話代行を利用すれば、これは可能である。

事務作業は時間があれば十分自分でできる。家族に手伝いを頼んでもよいだろう。

 

次に事務所賃料は、自宅で仕事をすることでゼロにできる。(そのうえ、自宅賃料の一部を経費にまわせる。)

法律相談や打ち合わせは、弁護士会館の面談室を無料で借りることができるし、自宅でやってもよい。

それか、最近はやりのシェアオフィスを借りれば、賃料も少な目で、会議室なども使えてよいかもしれない。ただし、記録や書籍を置くスペースを考えると、シェアオフィスもそこそこ高いプランが必要になるかもしれないので、やはり自宅が最もよいだろう。

 

弁護士会費については、基本は減らせない。ただし、地域によって金額が違うので、大都市の会費が安い弁護士会に登録すれば月3万円くらい。

 

これらの対策を行うと、毎月の必要経費は、10万円程度までおとせるのではないか。

 

収入面では、既に述べたとおり弁護士の仕事は単価が高いため、一件あたりの費用はトータルで、30万円から100万円くらいは期待できる。

月に1件のペースで受任できれば、十分に暮らせてしまう。

月1件の受任なら、週二日くらい働けばなんとかまわるだろう。

後は、自宅事務所というやや信用が低い状態で、安定して月に1件の受任ができるかどうかにかかってくる。

 

 

個人的には、破産や個人再生などの債務整理事件では、弁護士の事務所の豪華さと受任の確率はそれほど関係がないという印象である。

明日の支払いにも困っており、すぐにでも依頼したいという方が多いからである。

したがって、一度法律相談にきてもらえれば受任の可能性は十分にある。

法律相談にきてもらうためには、ネットでの広告と、安めの報酬設定が必要になるだろう。

広告の経費をある程度考える必要があるとしても、SEO対策などは自分で行えば費用もかからず、ある程度は可能である。

そうすると、それなりに現実味があるのではないか。

 

もっとも、こうやってはじめたとしても仕事が増えてしまって、事務員をやとったり、事務所を借りたりしたくなってしまう可能性はある。

せっかく勉強してとった資格だから最大限有効活用したいという気持ちもある。

 

弁護士のセミリタイアに必要な一番の要素は、自分自身がアクセルをゆるめる勇気なのかもしれない。